クロメとは

漆関係者はクロメという言葉をよく使います。クロメとは漆の木から採取した生漆を精製して、朱漆や黒漆のもととなる透漆(すきうるし)をつくることです。クロメるためには、生漆を木で作ったクロメ鉢に入れて上から電熱機などで45~50度の熱を加えながらヘラで練ります。練るほどに乳状の色をした生漆が水あめのような茶褐色の透明度の良い漆に変化してきます。練る回数を増やすことによって、塗り上げた時の漆の艶は次第に増してきます。こうしてクロメた漆を透漆と呼んでいます。この透漆を郷原漆器のクリの木地に塗ると、木目の美しさがほんのりとした「木溜め」(「木地溜塗り」とも言う)の丈夫な器が仕上がります。色漆は透漆に朱の顔料を入れて練ると朱漆となり、入れる顔料の色によって緑、黄色、紫色、白色など、さまざまな色漆ができます。ただ、黒漆は透漆に水酸化鉄を加えて練ると化学反応により黒漆となります。